2018.04.16

ART

Special

似てるけど、違う。
双子モデル「えまえり」による、
映画&絵本討論会【後編】

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同じDNAを持ち、見た目もそっくりな双子は、性格や考え方も一緒なのだろうか? 人気双子モデル「えまえり」に映画や絵本の感想を聞き、その考え方に迫るインタビュー。『ラ・ラ・ランド』を見ていただいた前編に続き、後編では、名作絵本として長く愛されている『100万回生きたねこ』を読んでもらった。二人の物語の捉え方の違いは、あるのだろうか?

『100万回生きたねこ』

『100万回生きたねこ』

  • 作・絵:佐野洋子(講談社 刊)
  • 1,400円(税別)
  • ©JIROCHO, Inc. / KODANSHA

【あらすじ】 100万回も生きて、100万回も死んだねこ。王さま、船のり、手品つかい、おばあさん……100万人の人がそのねこをかわいがり、100万人の人がそのねこが死んだときに泣きましたが、そのねこは、一度も泣いたことはありません。あるとき、ねこは誰のねこでもない、自由なのらねこになりました。一匹の白く美しいねこに魅せられ、自分よりも大切な家族を持つことになったのらねこは……。

「悲しみを知ったからこそ、次に生まれ変わっていたら、もっと幸せになれたんじゃないかな」

──『100万回生きたねこ』を読んだことはありましたか?

えり:実家にあったよね。小さい頃に何度か読んだことあります。

えま:懐かしい感じがするね。でも、覚えてないなぁ……。

──この作品は、読む人によって、あるいは同じ人でも読む年齢によって、まったく違う感想を抱く作品だといわれています。何度も何度も生まれ変わってきたねこが、愛する白いねこに出会い、別れを経験したことで、もう二度と生まれ変わることなく死んでしまった。そのラストを、どんなふうに感じましたか?

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谷奥えま(左)、谷奥えり(右)

えり:言い方は悪いかもしれないけど、最後にちゃんと死ぬことができて、よかったと思う。

えま:どういうこと?

えり:この主人公のねこは、何度も生まれ変わるなかで、誰かが死ぬ場面に立ち会ったことがなかったでしょ? どんな一生でも大事にされてきて、愛されることが当たり前で、悲しい感情を味わったことがなかった。

それが、白いねこと出会って、はじめて大切な相手ができた。その大切な相手が死んでしまうという瞬間に、悲しいという感情を持ったから、自分も死ぬことを選んだんだろうなって思ったの。

──生まれ変われなかったのではなくて、自分の意思で生まれ変わらなかったのだと感じた?

えり:そうですね。だって、何回も生き返るのってしんどくないですか? 最後に生まれ変わらなかったのは、愛した白いねこがいないなら、生まれ変わりたくないって思ったのかもしれないなって……。

えま:当たり前のように何度も生まれ変われるから、このねこは自分を愛してくれる周りの人に対してなんの感情も持たずに生きてきたのかも。私も、このねこは最後にはじめて「誰かに思いを寄せること」や「苦しみの感情」を知ることができたのだと思います。

でも、私は、悲しみを知ったからこそ、次に生まれ変わっていたら、もっと幸せになれたんじゃないかなと思う。だから、少し悲しいラストだと感じましたね。生きていくことって、楽しいことや嬉しいことだけだったら、面白くないような気がするから。

えり:そっか。そういう感じ方もあるか……。本当に難しいですね。もう一回読んだら、また感想が変わるかもしれない。絵本はもともと好きなんですけど、この作品は本当に奥が深いですね。

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「SNSのフォロワー数だけじゃなくて、中身を見てほしい」

──この作品は、大切な人との出会いがキーになる物語ですよね。家族であり、仕事のパートナーでもある二人は、お互いにとってどんな存在なのでしょうか?

えり:一番フラットな状態でいられる存在だと思います。それと、仕事でも一緒だから、なにか壁にぶつかったときに、悩みも共有できる。普通の人はそういうときも一人で乗り越えなきゃいけないはずなので、すごく助かっていますね。

えま:そうだね。私も、一番リラックスしてなんでも話せる相手は、えりだと思う。

──ライバルのような感じではない?

えり:同じオーディションを受けることもあるんですけど、片方だけが受かるとすごく複雑ですね(笑)。えりだけが受かったとき、めっちゃ怒ってたよね?(笑)

えま:「なんでえりだけ受かったん!」って言ったような気がします(笑)。でも、ほかの人が受かるより、えりが受かってくれたほうが嬉しいんですよね。そのときも、最終的には「えまのためにも頑張ってきてや!」って送り出しました。そう考えると、ライバルでもあるのかもしれないですね。一言でどんな存在か、って言うのはすごく難しい。

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──二人で一緒に活動していると比べられてしまうこともありそうですが、それが嫌だと思うことはないですか?

えり:前に、えりのほうが細く見えるねって言われたことがあって、えまはめっちゃ悔しかったみたい。それで、ダイエットをめちゃくちゃ頑張ってたよね。

えま:「えりちゃんはできるのに、えまちゃんはできないんだね」みたいな比べられ方をすると、すごく嫌ですね。

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──双子だと、そういう比べ方をする人も多くなってしまいそうですよね。

えま:仕方ないのかもしれないですけど……。でも、そもそもほかの人と比べたり、比べられたりすること自体があまり好きではないですね。こういう仕事をしていると、最近はSNSのフォロワー数だけで比較されて、人気や実力を判断されることも多いじゃないですか。

えり:そうだね。その数だけで判断する人がいると、すごくがっかりしてしまう。

えま:もちろん、フォロワーが多ければ影響力も高くなるし、それもひとつの情報ではあると思うのですが、そこだけを見てほしくはない。中身をきちんと見てほしいなって。そういう部分を見てもらえるように、もっと頑張らないといけないなって思いますね。

Written by Hiroyoshi Tomite
Edited by Kenta Kimura, Reino Aoyagi (CINRA, Inc.)
Photos by Nozomu Toyoshima

MUNSELL Q&A

Q. 好きな色、苦手な色は?
A. 好きな色:黄色 苦手な色:紫(谷奥えま)
黄色は色が映えるから。紫は暗い気持ちになる。
A. 好きな色:みどり 苦手な色:ピンク(谷奥えり)
みどりは「自然」が好きだから。ピンクは自分には合わないから。
Q. もっとも素の自分でいられるのはどんなとき?
A. 家族と話しているとき(谷奥えま)
どんなことでも、家族と話して笑い飛ばせば、リラックスできる。
A. 家族と話しているとき(谷奥えり)
遠慮することなく、居心地がいい。
Q. 自分でも驚いた、自分の意外な一面とは?
A. 不安になりやすい(谷奥えま)
仕事をはじめてから、求められたことがしっかりできるか不安になることが増えた。負けず嫌いなところもあるけど、不安のほうが大きくなる。
A. 負けず嫌い(谷奥えり)
高校のときはテストの点数が悪くても、体育祭で負けても、まったく悔しくなかった。東京来て、仕事をはじめてから、すごく負けず嫌いになりました。
Q. いま一番行ってみたいところは?
A. ギリシャ(谷奥えま)
ジブリに出てきそうな街並みだから、自分の目で見てみたい。
A. インド(谷奥えり)
ヨガの本場の国。アーユルヴェーダ(インドやスリランカで生まれた伝統医学。若さを保つことを目的とした予防医学)にも興味がある。
Q. 生まれ変わったらなにになりたい?
A. 犬(谷奥えま)
飼い主に対して一直線なところが魅力的。
A. 満島ひかりさん(谷奥えり)
自分をしっかり持っている、ブレない感じに憧れます。
profile

谷奥えま、谷奥えり

https://asobisystem.com/talent/taniokuema/
https://asobisystem.com/talent/taniokueri/

「えまえり」の愛称で親しまれる双⼦の女優・タレント。京都府出身。女優としてテレビドラマや映画の主演、CMなどに出演。また、国内外問わず原宿⽂化をPRし、街の活性化に従事する「原宿観光⼤使」も務め、幅広く活躍中。

取材時のmovie

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