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2018.06.28

天狼院書店✕MUNSELL
「自分」の中に「らしさ」なんてこれっぽっちもないのかもしれない

2018年現在池袋、京都、福岡に5店舗を構え、さらに成長を続けている天狼院書店。実は各店店長は書店スタッフに加えてそれぞれに異なった夢や目標を持っています。全員20代~30代でこれから店とともに自分自身も成長していこうと日々勉強中。そんな天狼院書店とMUNSELLがコラボレーション! 各店店長が話題のワードをそれぞれの視点で読み解きます!

「上手いね」だとか、「綺麗だね」よりも、「らしいね」と言われることが一番嬉しい

写真を撮る人にこう思う人は多いのではないでしょうか。

初めまして。天狼院書店「京都天狼院」女将の山中と申します。何やら大層な役職のように見えますが、簡単に言ってしまうと本屋の店長をしています。また一方でカメラマンとして写真を撮っています。

というのも、私の働いている天狼院という書店は他の本屋さんとはちょっと変わっているのです。「READING LIFE―本のその先の体験―」をテーマとして「本」だけでなく、その内容を「体験」を通してもっともっと楽しんでもらおうとさまざまなことを行っています。

分かりやすく言えば、「写真を上手に撮れるようになりたい!」とカメラの使い方の本を買いに来た方へ、カメラの使い方をレクチャーする教室まで提供している本屋。

そこで4年間、それこそカメラのイベント「フォト部」を担当してきました。部員はお客様、顧問の先生は普段雑誌や広告など第一線で活躍されているカメラマン。中学・高校の部活動のように写真を楽しみながらイベントを通して技術を磨いています。

イベントでは、街に出てスナップ撮影をしたり、美味しいご飯を撮ってみたり、旅先で星を撮影したり、スタジオに機材を組んでモデルさんを撮影したりと、毎回テーマを変えてさまざまな被写体やシチュエーションで撮影をしていくうちに――。今や部員は650名様、累計参加者は2500名様を超えています。

フォト部の様子

フォト部のイベントの様子

初めは、買ったばかりのカメラを常にオートモードで使っていた初心者中の初心者でしたが、フォト部マネージャーとしてイベントの企画運営をしながら自分の知りたいこと、撮りたいものをどんどん企画していくうちに、気が付けばカメラは4台目となり、カメラマンとしてお店のメニュー写真を撮ったり、雑誌の撮影をしたりするようになっていきました。

TENRO-IN CAFÉ メニュー

TENRO-IN CAFÉ モーニングメニュー

そんな中で、いつも思い悩むことがあります。「自分らしい写真」とはどのように撮れるのか。

カメラを始めた頃は、構図や、光、機材や、モデルさんとのコミュニケーションなど。本で学んで、フォト部で実践して、プロアマ問わず、多くのカメラマンと接し、その写真を見ていく中でできうる限りの知識を頭にいっぱい詰め込みました。

構図はこうした方がいい。光はこうした方がいい。カメラの設定はこうした方がいい。いわゆる“セオリー”を踏まえていく。そうしていくうちにプロの先生に「上手だね」と言われることが増えていきました。初めの頃は嬉しかった。自分がどんどん成長していく感覚がありました。しかし、なぜでしょう。いつの間にか心の中に何かモヤモヤする気持ちが生まれてきたのです。なんだろうかこの違和感は。こうするといい、ああするといい。撮影の時にそんなことばかり頭で考えていくうちに写真を撮ることを以前に比べて楽しめなくなってしまったのです。

写真を編集しようとパソコンの画面に撮った写真を並べて見ても何かつまらない。どれも似たような写真だなぁ。どこかで見たことあるなぁ。

と、そこで初めて気が付きました。そう、そこには「私らしさ」がなかったのです。

自分らしさってなんだろう。写真を見て「この人らしい写真だ」と言ってもらえたらどんなに嬉しいだろう。そう思い悩んでいるとなかなかシャッターを切ることができなくなっていきました。フォト部に参加しても運営に回るばかりで写真は撮らずじまい。カメラはカバンの中で眠り続けるばかりで、ハングリーに写真を撮ることがなくなっていきました。

しかし、そんな中で見えてきたものがありました。カメラが好き! 写真が好き! という共通項のみで、年齢性別、経験問わず多くの方がいらっしゃるフォト部。イベントには5名様から20名様ほどの方が参加されますが、同じ場所、同じ被写体、同じ環境で撮影しているのにもかかわらず、そこにはそれぞれまったく違った景色が写し出されます。

自分が撮影しない分、他の方が撮影された1枚1枚を見る時間が増えました。「うわ!素敵!」「これ、めっちゃいいですね!」と自然と声に出してリアクションしてしまう。「この光!」「うわぁ、このボケ感好きだなぁ」

そんな「好き」を見つけてリアクションしながら「私だったらどう撮るだろう」と考えている自分がいました。

この写真が好き! と思ったとき、私はこの写真のどこが好きなのか。構図? 光? コントラスト? モデルさんの表情? それを自分が試したらどうなるだろう。どうしたらもっと自分らしくなるだろう。そして自然とカメラを構えていました。

自分の「好き」を因数分解してみる。それは写真だけではなくて、絵だったり、天気だったり、友達の表情だったり。日々生活している中で思った「好き」の気持ちに一歩踏み入って「何が好きなんだろう」と考えてみると、ちょっとずつ、ちょっとずつ自分の感性が見えてきました。

そしてそれを写真に残したくてシャッターを切る。そうしていつの間にか「らしい写真だね」と言ってもらえるようになっていきました。「上手いね」とか、「綺麗だね」よりも、さらにさらに嬉しかった。

自分らしさなんて自分の中には全くないのかもしれません。周りのものを見て、聞いて、感じて、その好きを理解して、表現してみようと、挑戦して。そんなプロセスを日々繰り返していくうちに自然に滲み出てくる。そんなつかみどころのないものなのかもしれません。

「あ、この写真なっちゃんらしいね」の一言がもらえるように、今日も「好き」を探す日々です。

京都府立植物園

京都府立植物園

京都府立植物園

京都府立植物園

梅小路公園(モデル:MINAMI)

梅小路公園(モデル:MINAMI)

梅小路公園(モデル:MINAMI)

梅小路公園(モデル:MINAMI)

Written & Photos by Natsumi Yamanaka

天狼院書店とは

京都、福岡、南池袋、池袋駅前、2018年4月には「Esola池袋」と全国に5店舗を構える新刊書店。「READING LIFE」をテーマに掲げ、本を読むだけではなく、その内容を「体験」を通してさらに楽しもうと、連日様々なイベントを開催している。

天狼院書店 URL

http://tenro-in.com

天狼院書店のカメラ好きが集うフォト部 URL

http://tenro-in.com/category/event/bukatsu/photo

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